八百長問題が発覚してから思ってもいたこと。
大相撲に八百長があって、いったい「誰が」迷惑を蒙るのでしょうか?
大相撲という文化が無くなったら、いったい「誰が」得するのでしょうか? と。
高いお金を払い、時間を作って国技館に足を運ぶファンや、
放送時間になるとテレビ桟敷にかじりついて見てるファンが、
「裏切られた!」
と憤るのはわかります。怒る権利があるのはそんなファンだけ。
それまで、やんややんやと騒いでいた人たちには、
「相撲を・・・あれほどの稽古を、
1度でも足を運んで実際に見たことがあっての発言なのかしら?」
「普段から相撲の存在、意識してるの?」
と疑問を持っていた。
騒動の渦中、稽古を公開していた東関部屋で。
3人の小学生の男の子と、そのお母様が稽古見学をしていた。
ふと見ると、ひとりのお母様の目が、真っ赤。
「初めて稽古を見ました。毎日、これだけのことを力士はやってるんですね。
私、今まで相撲を知らな過ぎでした。相撲に対して無理解だったと反省
しています。もっと私たちも知らなきゃいけないですね・・・」
とおっしゃってくださったのだ。
カンゲキした花子は、
「そう思ってくださいましたか。ありがとうございます!」
「あ、おかみさんですか?」
・・・違います、すみません。通りすがりのライターです・・・
これなんですよ、これ。
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私なりの解釈で、「八百長=浮気論」というのがある。
浮気はバレなきゃ浮気じゃない。
八百長もバレなきゃ八百長じゃない。
真の相撲ファンは、「浮気」をうすうす疑ってはいたはず。
妻として例えて言えば、
「うちのダンナ、浮気してるかも・・・。でも普段はちゃんといい仕事をして、
いいパパでもあるし。ま、気がつかない振りをしてあげようか」
ってところだったかもしれない。
ただ、動かぬ証拠を突きつけられたら(この場合一連の八百長メールのこと)
やはりショックではある。「やっぱり浮気してたのね」とがっかりはするでしょう。
それでも。
「浮気がばれたから、即、離婚!」
とヒステリックにならないのが、真の相撲ファンでもあったりする。
ご近所の奥様方(=外野)に、
「あそこのダンナさん、浮気してるんですって」
「いやね~。ふしだらだわ」
なんて言われても、肝心の「奥様」が動じない、許してる。
「これからは妻孝行してもらうわよ!
向こう半年はお小遣い減らすから。2度と浮気しないでね」
って夫婦の間でペナルティを課して、ちゃんちゃん、で終るかも。
もっと大事なことが、今はあるし。
実際、今回の大地震後は(もちろん比べる大きさの問題ではないけれど)、
「それどころじゃないじゃんか」って、みんな思ってるはずだ。
もう、それだけのことだったんですよ。
日本じゅうが目くじら立ててヒステリックに騒ぐことではなかったはず。
特に、普段から相撲に興味ない人には、何も言ってほしくなかった・・・。
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こんな意見をもって、スポーツグラフィック『Number』 773号で、
「大相撲・八百長の本質を語ろう」
と題して、コラムニスト・評論家の坪内祐三氏、
ノンフィクション作家の小林照幸氏と座談会した。
読んだ友人が「八百長肯定してるようでビックリした!」というんだけれど、
もちろん推進してるわけではないのよ?
実は・・・相撲関係者には評判よかった(笑)。
もちろん「真剣勝負が大前提じゃないか!」
「財団法人で税制上も優遇されてて」「天皇陛下を欺くのか!」
などといろんな意見・反論はあろうが。
私はともかく、坪内氏・小林氏の意見、さすが「炯眼」っす。
もう店頭には並んでないけれど、機会があったら、バックナンバー探して、是非。
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先日、夜10時過ぎ。
「どす恋、呑むぞ~!」
と相撲協会関係者たちからお誘いが。
寝てたんだけどね。ここは行かねばならない。今日は行かねば。
「さ、30分待って。寝てたから顔洗う」
「バカ野郎~!(*野郎じゃないのに…)目ヤニだけ拭いて今すぐ来い!」
「・・・。らじゃ。ガッテンだっ!」
最初はつとめてバカ話をしていたのだが。
やっぱり、一連の問題が話題にもなり。
泣いてしまった。今日は泣かないぞって思ったのに。
いっぱしの男たちの涙も・・・久しぶりに見た。
オトナのオトコの涙ってなかなか見られないもんよ。
泣け泣け。泣こ泣こ。いいよ、今日は~って。
「どす恋よぉ~。俺たちはやっぱり組織の一員だ。縦社会だ。言いたいことも言えない。
力ないんだ。お前・・・書いてくれ。頼むよ・・・。なんでも協力するからよー」
「わかってます。あたしは怖いもの、失くすものないから。
微力ながらガンガン書きますわ。任せなさいって!
なんのために皆さんのふんどし借りて生きてると思ってんですか!
いっつもタダ酒、ごっちゃんす!
今日もいいっすか!? ごっちゃっしー!! 乾杯だっ!!!」
・・・とは言ったものの。
今日は1日寝ていた。
落ち込んで。
でもお腹はすく。
さっきスーパーまで行ったが、体に力が入らずに何度かコケそうになる始末。
足元がおぼつかないのよ。
「私のカワイイ力士たち」が「20にん」もいなくなってしまう。
先日は相撲関係者を励まして、
「できることはやるからね!」
なんて胸を叩いていたけれど、ホントは違う。
ひとりでいると泣いちゃったりして、カッコワルイノヨ・・・
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相撲レポーターの横野さんと電話であれこれ。
彼女もやっぱり気が滅入ってるらしい。
「でもさ、私たちでさえこんなに落ち込むんだから、本人や家族や・・・いかばかりか。
もうこうなったらしょうがないんだから。私たちが出来ることを探して、頭切り替えてやろうよ!」
そうだよね。
しかしなぁ。現場では多い意見だけれど、
せめて数場所出場停止くらいでよかったと思う。
過去に無気力相撲で呼び出されたりした力士も何人かいたけど、
厳重注意などで済んでた例もある。
ただなぁ、朝青龍の引退勧告、琴光喜たちの解雇・・・
それぞれ次元の違う問題だけど、それらの処分と比べて、
・・・どうなのだろうか。「罪」は軽いのか重いのか。
わからん。
やったことは、悪い。もちろんペナルティは必要。
「ガチ」で頑張ってる力士もいるんだし、私はガチ力士を心から尊敬している。
あまりに「露骨」で「ナメて」るようなのも、確かにいたんだからこうなったら処分は必要。
ただ、みんな同じ処分じゃなくて、認めた中心人物=真っ黒だったらこれ、
クロに近いグレーならこれ、ほんの2,3回の「人情相撲」だったらこれ・・・って区別して処分すりゃいいのに。
一斉にすべからく同じ「引退勧告」「性急な処分」って、5月場所開催のため・・・?
結局は「文部科学省」さまのお顔色を伺って、なのか?
財団法人でいたいがための。
(ここんとこは絶対に調べてみよう)
そのうち文科省関係者が、相撲協会に「天下って」くるだろう、
とも噂されてる。
「文部科学省指導の下」の、協会の対応。
あれこれ「?」とも思うけれど、協会幹部も身内を切るのは本当に苦しかったろう、とは思う。
すべてキレイゴトだけの日本になってゆくのか・・・どんどん生きづらくもなってゆくね。
嗚呼。本当に。誰が得すんだよ。
本当の相撲ファンが一番損して、傷ついてんだ。 てやんでぃ、べらぼうめ!
(暴言失敬)
明け方、胃の激痛で目が覚める。
今、一番近しいヒトが、
「相撲診療所で胃薬もらってくれば?(一般人もOK)今回の問題で胃が痛くて・・・ってさ」
「そっかー。相撲史上、特筆すべき4.5の日付入りになるね」
と、ちょっと笑顔(苦笑込み)に。
今日は悲しいほどお天気。 さ、洗濯しよう。あれもこれも、全部。