05 Feb走れ姐弟子(メロスじゃなくて)

taihou kougikann

相撲報道陣の今場所は長かった。
千秋楽を終え、
高見盛引退、大鵬さんの通夜・告別式などがあり、
1月31日は「初場所19日目」と言われていたわ。

この日は青山で告別式があり、
出棺された大鵬さんが国技館、二所ノ関部屋など、想い出深い、
縁のある箇所を回った。

告別式を終え、そのまま国技館まで息せき切って移動してきた姐弟子
=ご存じフジテレビレポーター「相撲界の母」横野レイコさん。

ふたりで国技館で大鵬さんを見届け。
さぁ、次は二所ノ関部屋。
国技館から、約400メートルの距離よ。

花子「あたしは自転車で行くけど、ふたり乗りできないミニサイクル。どうしよう?」
姐弟子「あたし・・・・・・走るわっ! たとえ間に合わなくとも走る!」

ええ????????マジっすかー?

「思う存分走ってください!(=間に合うはずないだろな、と思いつつ)」
とりあえず姐弟子のバッグは自転車の籠に預かり。

自転車をこいで姐弟子の先を行くが、信号待ちで追いつかれ、
まずびっくり。
その後数メートル伴走することになったが、
御年00歳アラフィフの「走りっぷり」に思わず目を見張った。

・・・・・・脚がまったく上がっていない。
競歩、いや。運動会の敬老レースのようだわ。
両国の町を、必死の形相で毛皮付きの高級コート&ヒール姿で駆け抜ける
(抜けてないが)中年オンナ・・・。

あまりのシュールな光景、不謹慎にも大笑いしてしまった。
写真撮りたかったけど、花子も余裕なく。
「姐弟子、悪いけど、お先に失礼~!」
自転車で一足先に、二所ノ関部屋にたどり着く。

で。
ゼーゼーハーハー言いながら着いたわよ。
霊柩車より30秒先に姐弟子は。
すごい一念。いや「執念」。

今場所で閉じてしまうという二所ノ関部屋の前で、
無事(姐弟子は顔面血の気がなかったが)大鵬さんを見送った後、
「大鵬さんの棺を追いかけて、そのまま私も道ばたで力尽きたら本望だったわよ。
相撲レポーターとして冥利に尽きる。はーっはーっ(息切れ)」
なんて冗談交じりに言ってたけど。

姐弟子は、そこでビデオを回すとかなんとか、
まったく「仕事」じゃないんだよね。純粋に、
「ただ、あの二所ノ関部屋の前であの大鵬さんを見送りたい」ってだけ。
そこには、彼女なりの・・・・・・長年の相撲取材歴からくる、
「彼女だけの想い」があるのだった。

尊敬に値するわ。そして、そんな想いを持っているからこそ、
持ち続けているからこそ。
いい取材ができるんだろうな、と改めて学びました。
ワイドショーのリポーターということで、いろんな目で見られちゃうけど、
そこらへんの「男」以上に「漢(おとこ)」なのです。

   いい姐弟子を持って幸せだなぁ。

 姐弟子、もし私が先に幸せになっても許しておくれね。お先に失礼?