26 Julありがとう。魁皇関。

魁皇関。本当にお疲れ様でした。
私もやっと東京に帰り、
原稿も書き終えて、今、この日記を。

魁皇関の引退インタビュー原稿を(23枚分になるのか?)書いていて、
やはりグッと来てしまう。
涙ながらに書き終えてた。なんだか
「嗚呼。書かせてもらえて光栄だなぁ」
と、またここで涙が出るのだ。

ありがとうね。

上のこの写真は、初日から3連敗して迎えた4日目のもの。
千代の富士の記録と並ぶ1045勝を決める日の、
花道に向う前の魁皇の後ろ姿。

仕度部屋から花道に行くのに、この狭い通路を通る。
力士だけでなく、記者さんや関係者も通る道。

しばらくの間・・・けっこう~長い時間だったなぁ。
あんな形やこんな姿で佇んで・・・精神を集中してる魁皇の姿が。
付け人くんも離れたところから見守っている。

場合によっては「ちょっとゴメンナサイヨ~!」
なんて力士の脇をすり抜けて走ってしまうこともあるけれど。

この日、彼の姿を目にして、
「さすがに通れないよな・・・」
「通れませんよねぇ・・・」
「待ちましょうか・・・」

と、記者さんたちも後ろ姿を見守る。プチ魁皇渋滞。

そしてこの日。無事、1勝。

で、その翌日。新記録1046勝目の花束。

これは写真記者クラブ加盟社各社が「絵作り」もあり、みんなで用意したもの。
地元中日新聞のカメラさんが中心になって話をまとめ、
花子が某親方のマネージャーさんをそそのかして(笑)、
車を出してもらい、買いに行った。
(だってすんごく大きくて重いのよ~)

さて。「誰が渡すか」が問題。
やっぱり女性じゃないとねぇ。
「誰もいなかったら花子が渡す」ことになっていたが、
私からもらっても今さら魁皇も、新鮮でもなんでもないだろう、と。
1000勝の時も渡したんだったわ。

いつも「オバサン、老けたなぁ」「化粧濃いんじゃない?」
なんて憎まれ口ばっかり叩くし(魁皇なら許せるけど)。
「ほぅ~。あなたの奥様と同じ年なんですが?」
「・・・う。マズイ」
ってな感じで、愛いヤツではあるのだけれど。

「じゃあ、記者クラブのバイトのおねえさんはどうだろう?」
「医務室の看護士さんは?」
「そりゃ、退院祝いみたいになっちゃうからだめだ」
「そこらへんに魁皇ファンのキャバクラ嬢はいないか?(笑)」
などと、みなで頭を悩ます。

結局は「最適な人材」(?)が見つかり、一件落着。
花束にっぶっ差す立て札の板に、行司さんが「一〇四六」と相撲字で書いてくれた。
魁皇のミニチュア幟も立ててアレンジ。
・・・その写真は撮るの忘れた。

花束ひとつでも、みんなの思いがこもっています。

で。とうとうこの日が来てしまいました。
10日目に、魁皇が引退決意。
また花束を用意することになるとは、思わなかった・・・けれど実は、
その覚悟もしていたような。

引退会見は、本当にすがすがしい笑顔でなんと1時間も。
「ちゃんこの染みた」魁皇ならでは、
誠実に自分の言葉で丁寧にひとつひとつ応えてた。
記者さんたちもみんな、彼の言葉に聞き入っているようで、
なんだか「魁皇講演会」のような会見でもあった。

とてもいい会見でした。

23年もの間土俵に上がり、やはり「人間力」が違うんだな。

笑顔の魁皇と対照的に、友綱親方がなんだかすごく寂しそうだった。
後で親方に聞いたら、
「最初はマズイな、今日は泣けちゃいそうだ、と思ってたんだけどね・・・」
って。強面だけど、すっごく「弟子愛」持ってる親方でもある。
友綱親方も、魁皇の師匠として23年間、お疲れさまでした。

引退の花束は、花子の気持ち。
姉弟子の横野レポーターが「半分出すわよ~」なんて言ってくれるけど、
彼らのお陰で花子の仕事も成り立つんですから、
安いもんだわよ。

「みっちゃん(魁皇夫人)にあげてね!」
と、渡しました。

プロポーズの言葉は「オレのために生きてくれ」だったそう。
以来、みっちゃんは、本当に魁皇のためだけに生きていた・・・
と言っても過言ではないくらい。
いつも3歩下がって、どころか、はるか彼方に控えて支えていた。

毎日、「大関に何かあったら」と構えて、常に家で待機。
治療も何もすべて、魁皇の行く先にはすべて運転手をしてた。
場所中などは、夜の12時近くまで毎日、付き合っていたそうだ。

「最近のデートは、いつも治療院や病院往復の車の中です。
たまに外食しても、大関は長時間座っていられないくらいに腰が悪いから、
すぐ帰るし。なかなか表にも出る気にならないんですよね」
って言ってたわ。

元女子プロレスラーの奥様だけど、
きっと一緒に闘ってもいたんだろうなぁ、と思いを馳せる。

 みっちゃんも大関夫人としての今まで、本当にお疲れ様でした。

会見を終えて、魁皇は、
「オレ、千秋楽が誕生日でしょ(アナログ放送終了の24日)。
アナログ力士は、やっぱりデジタル化とともに終るんだよなぁ。あっはっは」
と、そのすきっ歯を見せて笑ってました。(座布団1枚!)

  さて。名古屋行ったり来たりで「まっとうな日常生活」が全然送れていないあたくし。

   まずは洗濯だー。 嗚呼、嫁さんほしいくらいだよ・・・

   はっ。魁皇引退の日記が、最後は「洗濯」の一言で終るのか・・・魁皇、ゴメン。