14 Febファンのかたち。

nayakouki

いつも昼間に食べに行く、タンメンの美味しい街の小さな中華屋さん。
70代とおぼしきオカアサン(店主の母親だと思うわ)が、常連さんに話し掛けていた。

「昨日、国技館であった大鵬さんのお別れ会に行ったの。すごい人だったのよ」
と。いつもは挨拶したり、お天気の話をするくらいだったけれど。
思わず、「あ、私も行ったんですよ」とオカアサンに話し掛けてしまった。
「あら、アナタも相撲お好きなの?」
「は、はい・・・。(仕事だとは言えず)」
「ほら、二所ノ関部屋はすぐご近所でしょ。大鵬さんが優勝するたびにいつも駆けつけていたのよ。
ホントにキレイなお相撲さんだったわぁ・・・」

立場も年齢もその歴史も違えど、それぞれがそれぞれのカタチで「想い出」とする。

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今日は大鵬のおかみさんのインタビューだった。
時に涙しながら、秘話を拝聴。

写真は、幕下時代の大鵬さん…「納谷」のサイン。

「亡くなった母が若い頃から大鵬さんを好きで、
まだサインをできる身分ではないとおっしゃるのを、
無理言って書いてもらったものだそうです。
お手元にお返しさせてください。亡き母も喜ぶでしょう」

と、わざわざその娘さんが送ってくれたのだそうだ。

昭和32年の古い番付表にも、納谷の小さくて細いしこ名の横、赤線が引いてあった。
「ある幕下力士」の成長を、ずっと見守っていたのだろう。

ファン「を」大事にしていた大鵬さん。
ファン「に」大事にされていた大鵬さん、でもあった。

さ。原稿書きながら、泣くとするか…。

思えば「ファン代表」で、その肉声を聴かせてもらっていたのだから。