一門を超えての親方衆や、相撲関係者たち・・・
そう、報道陣もみ~んな。
稀勢の里の昇進を、固唾をのんで見守っていた。
千秋楽の日。
午前中に「審判部が理事会の招集を要請する」との情報で、
「どうだった?」「キセ、上がれるのか?」
って若い親方たちが口々に「逆取材」してきて、
みんなとっても気にしてた。
ときに不器用に見えるほど、真面目で真摯に相撲に取り組んでいる姿を、
みんな陰ながら応援してたのだね。
今回、ちょっと驚いたくらいだったわ。
私たち報道陣にとって・・・正直言うと、
いつも言葉が少なくて取材対象としてはちょっと難しい力士でもあったんだが。
昇進が決まってから、原稿を書き終えた記者さんたちが、
博多の店で夕食がてら一杯やるたびに、
「キセ、おめでとう!」
「本当によかったよな」
と、ことあるごとに(勝手に)祝杯を挙げていたのだ。
それくらい価値のある大関昇進。
これからがそれこそ、師匠の存在が必要になる。
勝てなくて悩んだり迷ったり、大関ともなればいずれ進退問題だって相談したり。
師匠を亡くして指針を失い、「孤高の大関」としてのスタートになってしまった。
でもね、あなたのことを心配して見守っている親方たちがたくさんいるから、
頼っていいんだよ、アドバイスをいっぱいもらって、
「みんなに寄ってたかって育ててもらいなよ~」
・・・って、余計なことながら、機会があったら稀勢の里に言いたいです。
きっと「はっ。そっすね」と一言、一瞥されて終わりそうだが(笑)。
そこがまたいいんですわ。
何に媚びもせず迎合せず。そのまんま変わらないでいてほしい、
と思える力士です。
師匠が急逝されて、みんなお祝いの言葉は自粛していましたが。
ここには書かせてもらおう。
「おめでとう」。